市営住宅審議会

○任期は2年間
 地方自治法第138条の4第3項には「普通地方団体は、法律又は条令の定めるところにより、執行機関の附属機関として自治紛争処理委員、審査会、審議会、調査会その他の調停、審査、諮問又は調査のための機関を置くことができる。ただし、政令で定める執行機関についてはこの限りでない」と定められており、これが自治体が審議会を設置できる根拠になっています。
 
現在市川市には72の審議会が設置されており、そのうち17の審議会には市議会議員が委員として加わっています。委員は会派の数に応じて割り当てられ、1人1〜2の審議会に所属することになります。任期は2年間を原則としています。
 
私は自ら志願して市営住宅審議会の委員になりました。子どもの頃から都営住宅に住んでいて公営住宅に愛着が深いことや、現在住んでいる塩浜地域にも市営住宅があることなどからです。昨年の5月23日に市長から委員の委嘱を受け、来年の5月22日までが任期となっています。

○審議会の任務
 委員になって、市営住宅のあるべき姿について議論するとばかり思っていたのですが、一年が経過して、委員の任務は市営住宅の管理運営を適正に図っていくことであり、政策提言ができるのはやはり議会の場であるということを痛感しました。
 
議員が口を利いたから市営住宅に入れたなどという噂を耳にしますが、そういうことは絶対にありません。口を利くのは議員の自由ですが、住宅困窮度に応じて厳正に入居者を決めていますし、当然そうでなければなりません。審議会の主な任務は次の通りです。

1)市営住宅の入居者の選考に関すること
 これが一番重要な仕事になります。毎年6月に空家住宅の入居募集を行いますので、入居申し込みをしたすべての方について、7月中旬頃判定基準に基づいた住宅困窮度の審査を行います。判定基準は市長が決めることになっていますが、これを見直すときには審議会に諮ることになっています。

2)市営住宅の家賃に関すること
 市川市には26団地・1970戸の市営住宅があります。市営住宅の家賃は、入居者の収入から計算される負担能力に応じた額(応能部分)をもとにして、それを入居する市営住宅の立地、規模等の便益(応益部分)で補正することにより決定されます。低いところでは月700円(これは極端で、その次が8200円)から高いところで8万4400円と、補正係数によってかなりの格差がありますが、この補正係数を見直したり、新たに設置した市営住宅家賃の利便性係数を見直すときには、審議会に諮ることになっています。

3)その他市営住宅の管理運営に関すること
 市営住宅に関する条例・規則・要綱の改正にあたって意見が求められるほか、市営住宅に係る毎年度の予算や物的な維持管理の状況などについて事務局から報告を受けます。

○書類審査
 平成15年度の開催された審議会はわずかに3日間(残念ながらこれだけでした)で、第1回目(6月3日)には副委員長の選任、空き家募集の予定、滞納者への法的措置の状況、予算の概要、第2回目(7月29日)には書類審査と判定、第3回目(1月29日)には条例改正(老朽住宅の削減など)やストック総合計画の策定についての報告などが行われました。
 
任務の大部分は入居申請にあたっての書類審査ですが、これがどのように行われるかご報告します。
 
書類審査は住宅困窮度に応じて点数の高い順に行いますが、あらかじめ定められた基準に従い職員が点数をつけており、その書類の束を1件ごとに審査します。
 
10人の委員が2人ずつ5つの班に分かれ、審査する束を5つに割り振り、1件ごとに添付されている書類に目を通しながら点数を確認し、印鑑を押していきます。1人の委員が120〜130件の書類を審査し、職員のつけた点数に誤りがないのかを確認します。疑問があれば手を上げて職員を呼び、疑問点を質しながら進むので、かなり神経を使う仕事です。全ての委員の審査が終わったところで終了となります。
 
7月29日に行われた平成16年度分の書類審査では、606件の申し込みに対して136件の登録が認められるなど、相変わらずの狭き門となっています。住宅困窮度に応じて、1点から5点までの判定基準があり、例えば「物置・納屋等に居住」は5点、「他の世帯と同居している」は2点などとなっており、合計点の高い順に優先して入居が認められることになります。現在は5点以上ないと登録できない状況となっており、家賃負担率が45%の世帯でも3点ですから、「家賃が高い」という理由だけで入居することはなかなかできません。それでも、立ち退き要求を受けていたらそれだけでOKだったり、失業給付は収入にカウントされませんから、失業中に申し込めば有利だったり、制度の間隙をついて優先順位が高くなる場合もあると審査していて感じました。空いた部屋から順に紹介していきますので、空きの少ない単身者世帯に比べ、3DK以上の一般所帯は比較的入居が容易なようです。

○今後の市営住宅審議会のあり方
 市営住宅審議会は市営住宅の市営住宅の管理運営に関することを審議する機関ですが、この1年間かかわってきて、単に入居に当たっての書類審査をするためのものになっているような気がします。議員は議会で質問する機会が与えられていますが、せっかく委員になっている学識経験者や専門家、居住者代表などの意見が市川市の市営住宅政策にもっと積極的に反映されなければなりません。これについて市川市の事務当局の姿勢は消極的な気がしてなりません。多くの市営住宅が老朽化し、建て替えや長期修繕問題を検討しなければならない時期に来ています。真に住宅に困窮する方々が安心して居住できる環境のあり方を考え、積極的に提言していくような審議会であるべきだと思います。そのためには委員自身のかかわり方はもちろんですが、行政の姿勢も改めていく必要があると感じています。

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